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第468回例会報告

2024年6月12日(水)、キヤノン株式会社下丸子本社にて、46会員・150名(リアル50名、リモート100名)の出席により臨時総会・第468回ATIS例会を開催しました。まず、臨時総会において新任2名を含めた次年度幹事専任の議案が全会一致で承認されました。続いて、例会において代表幹事から、会員の入退会状況、例会活動状況等の報告が行われました。
引き続き、9の分科会による年間活動報告、および質疑応答が行われました。
いずれの分科会も引き続きリモートとリアルのハイブリッド開催ですが、リアルでの参加者が増え、懇親会も復活しているという報告が多数ありました。また、外部交流も活発に行われた様子で、大変有意義な活動報告となりました。
以下に簡単に内容を紹介いたします(報告順)。

【① 調査業務運営分科会】
分科会内部討議は、討議希望項目を集約・整理し、ニーズの高かった①調査業務・品質、②人材戦略・育成に関しての集中テーマ討議を行なったとの報告がありました。特許庁様との意見交換会ではハイブリッド開催ではあるもののリアル参加の増加により活発な意見交換がなされたとのことです。また、「検索式の評価」にテーマを絞った講演会では実務的な知見・感触が得られたとのことです。

【② 調査技術分科会】
調査関連の意見交換会では、特許調査を業務としている方々からの調査手順の紹介や意見交換を行えたことが非常に有意義だったという声や、同一データベースを使っている人から自身が使わない機能を教えてもらえて良かった等の感想が聞かれたそうです。2023年度検索競技大会スキルセミナーへは分科会から3名が参加し、平素の業務だけでは気づかなかったポイントを知ることができたり、一度解いた問題について解説していただけたりと大変有意義であったことが窺がえました。

【③ 知財分社経営分科会】
各社経営課題を事前提出し、共通課題のメンバーグループに分かれて討議を行ったとの報告がありました。また、「『競争と協調』~日本の国際競争力強化に資する知財活動を目指して~」と題されたコニカミノルタ株式会社・金子清隆様の講演会は、分科会メンバーにとって重要施策の実行においての考え方等とても有意義で、自社の取り組み実行に対する気づきを得る機会となったとのことです。その後、コニカミノルタ様の浜松町オフィスも見学したとのことです。

【④ コーポレートサポート分科会】
コーポレート部門の集まりとして、最近の法令改正への対応状況、働き方改革、人事関係、アフターコロナへの対処、IT関係について各社の状況・課題を共有したとの報告がありました。また、フィールドワークとして「女性活躍推進」をテーマに、女性管理職経験者による講演会を2回開催したところ、共通して“上司からの理解”が重要であるとのお話しがあったとのことです。

【⑤ 特許情報研究分科会】
生成AIやAIと特許情報への活用及び知財業務への活用を今年のテーマとして活動したとのことです。参加9社のうちサービス提供として生成AIを使用しているのは現在2社にとどまっているとの報告がありました。生成AIを活用している企業はまだ多くはない一方、特許庁内では予想以上にAIの活用が進んでいることがわかったとのことです。

【⑥ 新興国の知財調査分科会】
今年5月にタイ調査団6名が現地を訪れ、タイ知財局、JETROバンコク、各特許法律事務所に訪問したとのことです。「専門用語に関してタイ語の翻訳が不適切であることが多いため用語にカッコで英語を入れる」、「早期審査にはPPHを利用すると良い」、「権利化の早い小特許の利用」等、各訪問先で日本出願人に対しての様々なアドバイスを受けた他、タイはIPC付与ルールが特徴的であることや、タイ特許法に関しての法改正が遅れていること等の報告がありました。

【⑦ Z・ミレニアル世代の若手意見交換分科会】
「ミレニアル世代」というように若い人に限らず、異業種間で、各自業務の中での困りごとや心配ごとを自由にディスカッションしたとの報告がありました。その中で得られたアドバイスを持ち帰って、実際の業務で実践したり社内で提案したりと業務に活かすことができた他、横の繋がりができる貴重な機会となったり、リーダー等を担当することで運営側としての経験値が上がったとの感想もあったようです。

【⑧ IPランドスケープ研究分科会】
IPランドスケープを実務として担当している実務担当者に有益な情報交換・意見交換を実施し、分科会メンバーの知見を広げる活動を実施しており、各社の事例発表やツール紹介の他、今年は㈱エンライトオンの西尾啓先生、㈱知財デザインの川上成年先生による外部講演会を2回開催したとの報告がありました。講演会終了後、両先生とも講演の様子をHPやSNSで発信くださったとのことです。

【⑨ 特許翻訳分科会】
参加企業の機械翻訳への取り組み状況、課題、最新情報を共有したところ、各社ともMTPEの導入が進展しており、PEの品質向上と効率化に関する課題が多く挙がったとの報告がありました。3年前はMTに興味はあるが未使用という人が多く、漠然としていた議論が、現在ではMTPEをどう効率的に行うかが議論の中心となっており、翻訳会社や企業のPEに対する認識が一致してきている印象を受けたとのことです。

分科会の年間活動報告については以上です。

例会後には、キヤノン本社B棟 レセプションルームにて立食パーティー形式による懇親会も開催されました。40名と多くの会員が参加し、おいしい食事に舌鼓を打ちつつ、分科会の垣根を越えて交流を深めることができました。