- 活動紹介
総会・第480回例会報告
通常総会・第480回例会報告
2025年7月16日にユニオンビル セミナールーム Aをリアル会場とし、リモート接続を併用する形で、通常総会および第480回例会を実施しました。例会参加者は43会員・107名(リアル47名、リモート60名)でした。
【通常総会】
総会では、以下の第1号から第6号議案が審議され、電磁的議決権行使により賛成44会員で全て議案通り承認されました。また、第7号議案が報告されました。
第1号議案【承認事項】 2024年度 活動報告
第2号議案【承認事項】 2024年度 決算および監査報告
第3号議案【承認事項】 2025年度 代表幹事および副代表幹事の選任の件
第4号議案【承認事項】 2025年度 顧問の件
第5号議案【承認事項】 2025年度 活動計画の件
第6号議案【承認事項】 2025年度 予算の件
第7号議案【報告事項】 2025年度 幹事担務の件
活動に関する議案の概要は以下の通りです。
- 第1号議案【承認事項】2024年度 活動報告について
- 2024年度基本方針に沿って、「例会」、「分科会」ともにリアル/リモートを併用したハイブリッドで開催し、ほぼ計画通り進捗できました。例会、分科会でのリアル懇親会も再開し、会員同士のリアルな意見交換、交流を深めることができました。
- 例会は、講演会として知財系講演5回、非知財系講演1回の計6回、パネル討論「生成AIが特許調査の現場に与える影響」、正会員によるシンポジウム講演5社、賛助会員によるプレゼンテーション10会員、施設見学2回を行いました。
- 分科会は、9分科会で滞りなく実施され、6月に成果発表を行いました。Z・ミレニアル世代の若手による意見交換分科会が参加希望者が規定数に達せず休会となりましたが、2025年度復活に向けて、分科会趣旨説明等を工夫し、再開を目指すこととなりました。
- 第5号議案【承認事項】2025年度 活動方針および主な活動計画について
- 会則に則り、「会員の知識、技術の向上と我が国産業の発展に寄与する」 活動を継続する。
- 新型コロナウイルス感染症の終息後、リアル/リモート併用での開催が定着するなか、リアルの参加者も増加傾向にあり、リアルの参加率を更に高められるよう、会員の興味に応えるコンテンツを提供し、リアルでの会員同士の交流の場が増えるよう活発な活動を目指していく。
- 本年度ATIS設立45周年となる。予算の都合上大がかりな式典は実施しないが、45周年記念誌を発行するとともに、2026年春の例会時に記念誌の紹介、規模を拡大した懇親会の開催を計画する、という基本方針が示されました。
- 例会、分科会の方針(リアル・リモート併用、懇親会開催)と年間計画、講演会、パネル討論、シンポジウム、賛助会員プレゼンテーション(製品紹介等に限定せず)、年度内2回の施設見学などの計画が示されました。
- シンポジウムについては今後、特別会員にも発表機会を提供していくこととし、テーマについては、自社紹介に限らず、知財活動等、自由なテーマとすることとしました。
【第480回例会】
例会では、代表幹事から、会員の入退会状況および会員情報の変更、幹事会報告、直近の例会活動報告、INPIT様からの「特許調査実践研修」の案内、ATISが後援する「特許検索競技大会2025」の紹介、2025年度ATIS活動計画案の紹介がありました。
続いて、ATIS功労者・感謝表彰として2名の方が表彰されました。
その後、「一般社団法人化学情報協会」と「株式会社パソナナレッジパートナー」から、賛助会員プレゼンテーションがありました。
「一般社団法人化学情報協会(JAICI)」からは、協会の概要説明と知財情報センターの調査サービスの紹介がありました。
同協会は設立が1971年、役職員数98名、会員数40法人で化学情報プラットフォーム(CAS SciFinderⓇ、CAS STNextⓇ他)の提供、特許調査サービスの提供、機械翻訳・辞書サービスなどの事業活動を行っています。
トピックとしてコーポレートブランディング活動の紹介がありました。協会の認知度、役職員のエンゲージメントおよび採用力の向上を目的に、若手研究者を支援する「JAICI賞」の創設、高校化学グランドコンテストへの協賛、化学コミュニケーション賞受賞者の活動紹介など『化学好きを増やしたい』をキーワードに積極的な取り組みをされています。
次に、知財情報センター(SHIPS)のサービスの紹介がありました。SHIPSは、CAS STNextⓇに代表される各種データベース、情報検索ツールの提供など、化学情報協会の各種活動で培った知識経験・高い専門性を結集し、医薬・化学・バイオ分野に特化した調査サービスを提供しています。JP-NET、PatBase、Patentfieldなど他のデータベースを併用しながらも、CAS STNextⓇの検索ノウハウを深化・蓄積し、構造検索、配列検索、ポリマー検索を強みとする高度な検索技術を有しています。
主な顧客は、製薬、化学、食品・飲料、化粧品などの企業や大学、各種研究開発機構、特許事務所などであり、2024年度売上ベースの調査種類別では5割以上が侵害予防調査で、抜け漏れの無い高い品質が求められる調査の割合が多くなっており、顧客から品質に満足との声も届いているとのことでした。

「株式会社パソナナレッジパートナー」からは会社概要と主なサービスについて紹介がありました。
パソナグループの一員として2016年4月に設立された同社は、知財業務全般を支援する多様なサービスを展開しており、今回は特に「知財管理サービス」、「知財信託事業」、「知財研修サービス」の3つについて紹介いただきました。
知財管理サービスは「知財のよろずや」を目指し、システム導入検討支援から実務事務のBPOまですべての範囲で支援が可能です。企業知財経験者、開発・運用保守経験者など各方面のプロフェッショナルが多数在籍しており、専門性の高いサービスの提供が強みです。
知財信託事業は、日本で初めて産業財産権を専門に扱う信託会社として2021年に(株)パソナ知財信託が設立され、まるごと信託(知財を受ける権利を信託)、管理おまかせ(保有する権利を信託)、活用おまかせ(未活用の権利を信託)など顧客ニーズに合ったサービスを提供しています。
知財研修サービスは、知財担当者向け/技術者向けの調査研修(先行例調査、クリアランス調査、特許マップ作成・分析)を行っており、特許検索競技大会経験者など、実務経験豊富な講師陣による講義が強みです。特許検索競技大会を主催している一般財団法人 工業所有権協力センター(IPCC)への出向経験者も複数名在籍されているとのことです。

最後に、「日鉄テクノロジー株式会社」の柳原様からシンポジウム講演がありました。
日鉄テクノロジー株式会社は、日本製鉄株式会社の機能子会社で、2024年4月に旧日鉄総研を統合して新たにスタートしました。知財と分析の専門部隊が連携することで、顧客の戦略策定からプロパー化・権利活用までを一貫してサポートすることを強みとしており、日本製鉄グループの試験・分析や知財業務を支えています。知的財産事業部は、日本製鉄の出願権利化に関する業務が主体で、特許権を取得するために発明者と弁理士の仲介役を担っています。
続いて、トピックとして同社の知財人材確保についてお話がありました。柳原様はATISの知財分社経営分科会の活動を通じて、同社と似た境遇の知財子会社は人材確保に共通する悩みを有していることを認識されました。同社では、主に「親会社からの出向・転籍」「中途採用」「新卒採用・第2新卒」「個人事業主」の4つの方法で人材確保を行っています。各方法についてメリット、デメリットを交えてわかりやすく紹介していただきました。「中途採用」や「新卒採用・第2新卒」については人材紹介エージェントを活用しつつ、様々な工夫を凝らしながら採用活動を行っているとのことでした。

以上