- 活動紹介
第489回例会報告
第489回例会報告
2026年5月20日(水)、大田区民ホール・アプリコ 小ホールにて、第489回ATIS例会を開催しました。会場参加とオンライン参加を併用したハイブリッド形式で行われ、166名(会場参加81名、オンライン参加85名)が参加しました。
当日行われた議事の中から、(1)45周年記念誌の紹介、(2)株式会社IHI様によるシンポジウム講演、(3)生成AIをテーマとしたパネル討論について紹介します。
(1)45周年記念誌紹介
ATISは1981年の設立以来、技術情報・知的財産情報の活用を軸に活動を続け、本年45周年という節目を迎えました。今回の例会では、この節目にあたり作成されたATIS設立45周年記念誌の紹介が行われました。
記念誌では、ATIS設立の背景やこれまでの活動の歩みとともに、直近5年間の取り組みがまとめられています。コロナ禍を経たオンライン・ハイブリッド開催の定着や、分科会活動の活性化など、環境変化に柔軟に対応してきたATISの姿が紹介されました。
代表幹事からは、技術情報を「活かす側」と「支える側」が集うATISの特長に触れつつ、45周年を新たな出発点として、今後も会員にとって価値ある情報提供と交流の場を創出していきたいとの考えが示されました。
(2)シンポジウム講演
「知的財産部における生成AIを活用した新たな情報活用の取り組み」
シンポジウム講演では、株式会社IHI 知的財産部 下総太一様より、生成AIを活用した知財業務の取り組みについて紹介がありました。
知的財産部外への取り組みとして、技術者をはじめとする知的財産部以外の従業員に向けた生成AI活用の普及施策について説明がありました。あわせて、知的財産部内の取り組みとして、特許分析業務の効率化・改革を目的にどのように生成AIを取り入れているのかが共有されました。
質疑応答では、生成AIの出力結果については、人による確認と目的に応じた使い分けが重要である点が強調され、業務効率化と品質確保を両立させるための考え方が示されました。知財の現場における実践的な生成AI活用事例を直接聞くことができ、参加者の関心も非常に高い講演となりました。

(3)パネル討論
「生成AIで描く新規事業創出の最前線― コア技術×AIによる事業構想プロセス ―」
パネル討論では、株式会社イーパテントの野崎篤志様をモデレータに迎え、株式会社知財デザインの川上成年様、弁理士法人レクシード・テックの角渕由英様がパネリストとして登壇しました。
本パネル討論は、テレビ番組「料理の鉄人」をオマージュした構成で進行されました。モデレータの野崎様が、分析の鉄人である二人のパネリストを“社外コンサルタント”役として招き入れ、それぞれのパネリストが、生成AIや特許情報を活用しながら、その場で新規事業案を構築していくライブ形式が採用されました。
題材としてはダイソンの技術が用いられ、パネリストはそれぞれ異なる切り口から新規事業案の構築プロセスを示しました。川上様は、自身が考案したMFTモデルをベースに、特許情報のテキストマイニングを通じてコア技術と機能、市場とのつながりを整理し、既存事業の延長にとどまらない新たな市場候補を探索するアプローチを紹介しました。一方、角渕様は、特許検索による母集団把握、生成AIを用いた簡易検討レポートの作成、Deep Researchによる技術・市場情報の補強、さらに参加者が自ら触れて検討できる資料や画面の整備まで含め、提案を共創的に深めていく実務的な進め方を示しました。
生成AIを単なる効率化ツールとしてではなく、発想を広げ、検討を深めるための思考支援ツールとして活用する点が印象的でした。討論の中では、調査や分析はあくまで手段であり、最終的に事業にどうつなげるかが重要であること、また技術・知財・事業の関係者が共通言語を持って議論することの大切さが共有されました。会場およびオンライン参加者からも質問が寄せられ、双方向で意見交換が行われました。




懇親会
例会終了後には、会場近くのイタリア料理店 Trattoria M’s にて、45周年記念の懇親会が開催されました。
会場参加者81名が集まり、講演者や参加者同士が立場や所属を越えて交流する、和やかで活気ある会となりました。
料理や飲み物を囲みながら、例会やパネル討論の内容を振り返るとともに、日頃の業務や知財・技術情報に関する話題について、カジュアルな意見交換が行われました。初参加の方々を交えた交流も進み、ATIS例会ならではのネットワークづくりの場として、参加者にとって非常に有意義な時間となりました。
