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2018年5月例会(パネル討論・日経BP社小島編集委員)

ATIS第401回例会報告

2018年5月16日JXビルにおいて第401回ATIS例会が行われました。

まず代表幹事報告として、次回の第402回例会(6月20日 於キヤノン本社)にて2017年度の分科会年間活動報告を行うこと、6月に臨時総会、7月に定時総会を開催予定であることが伝えられました。

引き続きパネルディスカッションと講演会が行われ、今回の参加者は過去最高となり関心度の高さが伺われました。

まず、パネルディスカッションでは、「AIを利活用した特許調査の現状と課題 ならびに 将来展望」と題して、会員企業にとって、昨年度から引続いて関心の高いテーマについて討議が行われました。

最初に、モデレータのNTTアドバンステクノロジIPESビジネスセンタ所長 岡崎幸夫氏から、討議テーマ企画の背景説明とパネリストの紹介が行われました。
今回パネリストとして、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 ロボット・AI部 知的財産プロデューサー 後藤哲也氏、(株) FRONTEO 取締役CTO 行動情報科学研究所所長 武田秀樹氏、トヨタテクニカルディベロップメント(株) IPコンサルティング事業部 第1情報解析室 グループリーダー 森田陽介氏をお招きしました。各パネリストから、AIの歴史と最新の取り組み状況、調査業務への導入の背景と事例、システム開発の具体例についてのプレゼンテーションの後、活発な議論が行われました。
AIを利用した特許調査の課題として、現状のAI調査ツールは万能ではなく、機能・特徴をよく理解して使う必要あり、目的によって使い方も異なる点について、具体事例を交えてご紹介いただきました。
費用対効果については、AIを十分に理解して使えば、見合う可能性があり、できるだけ効果が大きいところに早く導入していくことが肝要とのことでした。
また、今後、人の付加価値がどうなるかについては、多くの会員企業にとって関心の高い点ですが、教師データの与え方、サーチャーの技量が重要となり、業務フローの入口と出口では人による付加価値が残ると考えられるとのことでした。
AI活用によって、調査の効率化は進むものの、誰がやっても同じ結果となるには、5年先でもまだ難しく、汎用型へのブレークスルーは未だ先になるとの予測でした。一方で、劇的なブレークスルーを注視していく必要もあり、ますます今後の動きに目が離せない状況にあるとの思いを新たにしました。

講演会は、講師として、日経BP社 xTECH編集 小島郁太郎氏をお招きし、「読まれる技術記事の作り方 ~私たちは何をどう伝えているのか~」と題し、ネット時代の記事の作り方、伝え方について、記者・編集者の目線から見た要諦をご紹介頂きました。

ご講演の中では、相手にとって有益な情報を、いかに的確に伝えるかについて、例えと図解を用いて分かりやすく説明頂きました。新しいことを読者にスルーされずに伝えるために、敢えて読者が知っていることを伝えることや、今感を出す工夫など、様々なノウハウをご紹介下さいました。
知財に携わる方々にとっても、調査内容などを顧客に伝えるうえで、大いに参考になる内容でした。 “伝える相手を決めること“ により、“伝えるべき項目がきまる“ だけでなく、“伝えなくて済む項目が決まる” というお話など、気づきを得られる機会となりました。

その後は、JXビルのX(みらい)プラザにて懇親会を開催しました。夜景の美しい会場にて、いつものように会員企業間で活発な交流が行われ、有意義な例会となりました。

以 上