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2018年11月例会(JIPA 久慈様講演、東芝IPRソリューション(株)シンポジウム)

第406回 ATIS例会報告

11月21日(水)、川崎市産業振興会館(神奈川県)にて、37社・71名の出席により第406回 ATIS例会を開催しました.当日行われた議事の中から、 (1) WIPOリージョナルワークショップ報告、(2) 東芝IPRソリューションによるシンポジウム、(3)JIPA 久慈専務理事による講演「第4次産業革命と知財が果たすべき役割」についてご紹介いたします。

WIPOリージョナルワークショップは、10月16日・17日に国連大学で開催された、新興国の特許行政担当者が特許情報整備の必要性と有効活用について検討するワークショップです。当日はATIS特許マップ研究分科会から、ネオジム磁石の出願動向分析結果及びDyson社のパテント群の解析結果を紹介し、産業界からのリクエストとして正確な特許情報データ整備の重要性を訴えました。

シンポジウムでは、ATIS会員企業である東芝IPRソリューションから、親会社である株式会社東芝のプロフィールと知財戦略、東芝IPRソリューションの生い立ちと現状や取り組みについて紹介がありました。
株式会社東芝については、これまで世界初・日本初の製品を数多く世に出して来たこと、この11月に新たな事業計画である東芝Nextプランを発表したこと、東芝知財は「知財による事業への貢献(リターン)の拡大」を目指していること、毎年開催している特許大会で歴代社長がこの方針に沿った訓示を行っていることなどが紹介されました。
東芝IPRソリューションについては、事業として権利取得・調査分析・知財事務支援・ライセンスなどを行っており、「ONLY ONE」の業務・サービスを追求していること、調査事業の課題と取り組みなどが紹介されました。

IPAの久慈専務理事からは「第4次産業革命と知財が果たすべき役割」と題し、デジタルトランスフォーメーション・IPランドスケープ・オープンイノベーションなどを含む最近の知財の変化について、大変興味深く有意義な講演を頂きました。
最近の知財の変化としては、塩基配列データなど特許書類に表現困難な見えない知財の重要性、中米欧の裁判所における知財訴訟の集中と原告に有利な制度の採用、国際的なADR(仲裁・調停など)の利用の増加について話されました。
また、従来の知財活動では最新のニーズに対応しきれていないこと、およびビジネスや研究開発企画を行うニーズが急速に高まるため、知財部門のメイン業務が特許出願から情報収集・分析にシフトするであろうことが話されました。
さらには、企業は広く知的資産全体を見るべき時代となり、特にデータやネットワークなど、法的な管理や契約上の権利義務も含めてすぐにでも対応しなければいけないこと、日本企業同士が多数の日本出願に疲弊しながら小競り合いを続ける時代は終わり、グローバルで戦う時に何が有効に機能するかを真摯に考えなくてはならず、その時に各社の知財部門が協力して調整機能としての役割を担う事ができるのではないかといった提言がなされました。