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2019年1月例会(神鋼リサーチ(株)シンポジウム、創発システム研究所 中堀様講演)

第408回 ATIS例会報告

2019年1月16日(水)、大阪大学中之島センター301講義室にて第408回ATIS例会を開催しました。34社から60名の参加があり、代表幹事の報告に続き、会員企業の神鋼リサーチ(株)によるシンポジウム講演、(株)創発システム研究所による講演がなされました。
代表幹事報告では、12月からの会員の入退会は無いものの、正会員1社および賛助会員1社が入会手続き中であることが紹介され、また各分科会の活動として、コーポレート分科会でオープン講演会が開催予定(2019年2月8日(金))、若手の会は現在休止中であるが2019年度に再開予定であることが紹介されました。さらにATISホームページの刷新の進捗状況とこれに伴いATISの新しいロゴの説明がありました。
シンポジウムでは、神鋼リサーチ(株) 取締役 西 誠治 様から、同社および親会社である(株)神戸製鋼所の業務内容に関するプレゼンテーションがありました。その中では、まず(株)神戸製鋼所の沿革から現在の主要事業と知財活動および知財組織構成の説明がなされ、その後、神鋼リサーチ(株)の組織構成、事業内容、親会社との役割分担などについて詳しい紹介がありました。人材確保・育成、運営課題など会員企業の関心の高いトピックスにも触れられ、興味深い内容でした。

続いて、「道路トンネル換気制御システムの知財戦略 – 技術と製品の進展経緯 – 」というテーマで、(株)創発システム研究所 代表取締役 中堀 一郎 様による講演がなされました。道路トンネル内での火災発生時の対策として開発された換気制御システムに関し、その開発経緯と今後の取組についてご講演頂きました。
中堀様はまず転流回路の研究からスタートし、システム制御への時流に乗って全く新しい視点での交通流モデルから道路交通システムの研究へ移行されました。これを起点に道路トンネルをターゲットとし、従来の換気制御技術をWeb技術と組み合わせるイノベーションを着想され、道路トンネル換気制御システムの開発へ繋げられました。その検証過程を通じて「市場が要求するものを作るのが企業の任務」との考えに至り、ジェットファンインバーター運転装置の開発に成功されました。正にソフトからシステムへの脱皮です。これら数々の取組が学会で認められ、特にインバーターによるジェットファン省エネ運転に関する論文はBHR(国際トンネル換気学会)で最優秀賞を受賞すると共に、特許化されました。
今後はベンチャー企業としてのステージアップに向けて、パラダイムシフトが重要と認識されています。但しAI活用による人の代替には懐疑的で、寧ろAIを活用したIoTの進展のためには、やはり「人」の存在が必要とのことです。またグローバル展開を手掛けておられますが、海外での特許取得は積極的には考えていないとのことでした。講演後の質疑応答も含め、極めて興味深いものとなりました。