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2019年10月例会・施設見学(シスメックス 井上様講演・神戸酒心館 湊本様講演)

ATIS第416回例会報告

日本一の酒どころ「灘五郷」にある「福寿」醸造元の神戸酒心館にて、20191016日、32社57名が集まって、第416ATIS例会と蔵見学会が開かれました。

例会は、神戸酒心館の豊明蔵にある趣豊かな酒心館ホールでおこなわれました。代表幹事報告では、会員の入退会状況、例会スケジュールや次回の開催要領と講演予定などの説明が行われました。また、新しくなったATISWEBページ、および、知的財産活用研修の紹介もありました。

続けて、講演(その1)に進み、シスメックス株式会社 知的財産本部 理事 本部長の井上様から「シスメックスの知財活動~当たり前のことを当たり前に」を、ご講演いただきました。シスメックスは検体検査(機器+試薬+サービス・サポート)を事業領域として、190か国以上でビジネスを展開されています。海外売上比率は85%以上を占めることや、研究開発は、オープンイノベーションを軸に進められているなどビジネスも特徴的であるため、知財活動も多くの一般企業とは異なる点も多いのではないかと期待されます。努力の天才「イチロー」の「来た球を打ち返す」という当たり前の期待に応えられるように厳しい練習を続けるプロとしての生き様を念頭におかれているそうです。2000年頃、当時のシスメックスの知財活動における課題を浮き彫りにしながら、改革を進めてこられて、現在にいたった状況を詳しくご紹介されました。「研究開発と事業展開の自由度を確保し経営に資する」という理念のもとで、(1)グローバルな知財活動、(2)信頼される知財活動、(3)研究者にやさしい知財活動を実現されたお話はとても勉強になりました。

講演(その2)では、神戸酒心館 支配人 湊本様が、「日本酒とワインの比較、灘五郷について」ご講演くださいました。ソムリエでありながらすっかり日本酒にはまってしまっている湊本様の軽妙な語り口に、ついつい引き込まれてしまいました。西ノ宮市から神戸市にかけての沿岸部に広がる日本を代表する酒どころは、灘五郷(なだごごう)と呼ばれ、六甲の急斜面で研ぎ澄まされて鉄分が非常に少ない「宮水」と、粒が大きい「山田錦」、プロ集団の「丹波杜氏」に支えられてきました。その中にあって、およそ260年の歴史を誇り、近年ではノーベル賞の受賞パーティで「福寿 純米吟醸」を提供されたことで脚光を浴びているのが「福寿」醸造元である神戸酒心館です。紀元前8000年のクヴェヴリに痕跡を残すワインと、播磨風土記に記述が残る日本酒。それぞれの長い歴史や、味わいの比較など、ユーモアのあるお話を大変興味深く聞くことができました。施設見学会では、神戸酒心館の東明蔵での利き酒を含め、福寿蔵では仕込みの見学、ビデオ鑑賞などを行いました。見学終了後は、「福寿」と蔵の料亭「さかばやし」の料理を楽しみながら、会員相互の率直な意見交換を行いました。