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2019年11月例会(シンポジウム:(株)エムテック 、講演:トヨタ自動車(株) 近藤様)

417 ATIS例会報告

1120()、国立オリンピック記念青少年総合センタ-にて、40社・72名の出席により第417 ATIS例会を開催しました.当日行われた議事の中から、 (1)(株)エムテック 木全 政弘氏によるシンポジウム、(2)トヨタ自動車(株)知的財産部 近藤健治氏による講演「IoTAI時代のトヨタの知的財産活動」についてご紹介いたします。

 

シンポジウムでは、ATIS会員企業である(株)エムテックから、親会社である三菱電機株式会社のプロフィールと知財戦略、(株)エムテックの生い立ちと現状や取り組みについて紹介がありました。

三菱電機株式会社については、これまで特許保有数増加に従い売上も増加していること(知財と共に成長)、三位一体経営方針(事業戦略・研究開発戦略・知財/標準戦略)に従い知財ポートフォリオに基づく戦略的知財活動を推進していること、2018年国内特許登録件数がTOPであること、知財活動のグローバル化を進めていることなどが紹介されました。

(株)エムテックについては、事業として調査・知財基盤(教育)・特許事務・知財システムを行っており、三菱電機知的財産センターと一体となって活動していること、事業の内容と課題などが紹介されました。

 

 

トヨタ自動車(株)知的財産部 近藤 健治氏からは「IoTAI時代のトヨタの知的財産活動」と題し、トヨタ誕生の原点(歴史)・イノベ-ションを取り巻く環境変化・トヨタの知的財産活動などについて、大変興味深く有意義な講演を頂きました。

特許がトヨタ誕生の原点でること、豊田 佐吉の自動織機発明への挑戦の歴史に始まる「トヨタの目指す姿」について紹介されました。

イノベ-ションは技術だけでなく、経済諸要素の新たな結合で起きるものであることを「馬車から自動車へ」というモビリティ(移動)変革の歴史から説明されました。トヨタが取り組むスマ-トモビリティ社会・IoT時代へと取り巻く環境が変化するなか、オ-プンイノベ-ションの活発化(自前主義の限界)、ビジネスモデルの変化(モノからコトへ)、標準化・デファクト化(グロ-バル競争・エコシステム)への対応が重要であるとの考えが示されました。ビジネスモデルの変化に従い、トヨタの知財活動も変わって来ていることが話されました。内容としては、異業種企業との連携・新技術の共同開発・特許実施権の無償提供・標準必須特許の取得などについて具体的な事例紹介がなされました。

また、これからの知財戦略はビジネスの仕組み全体を支えるものとすべきであり、知財はどこを支え貢献すべきかを考えていくことの重要性、およびビジネスを様々な観点(階層)で俯瞰し知財・標準・デ-タの複合的な知財戦略を構築することの必要性について話されました。

さらには、今後の知財活動には自社のビジネスの将来を見据えた戦略立案が求められているが、そのために重要なことは、自社のビジョン実現のために知財は何をなすべきかについて「考える力」と「実践力」を持つ人材の育成であるとの認識が示されました。