トピックス

  • 活動紹介

第429回ATIS例会報告

429 ATIS例会報告

 1216()、日鉄総研本社 国際ビルよりリモート会議にて、45社・143(リアル14名、リモート129)の出席により第429 ATIS例会を開催しました.当日行われた議事の中から、 (1)富士フイルム知財情報リサーチ(株) 小笠原 淳氏によるシンポジウム、(2)AI活用でサーチャーの働き方は変わるか? ~AIツールの活用動向と今後の展望~」をテーマとしたパネル討論についてご紹介いたします。

シンポジウムでは、ATIS会員企業である富士フイルム知財情報リサーチ(株)から、親会社である富士フイルムホールディングス(株)のプロフィールと知財戦略、富士フイルム知財情報リサーチ(株)の概要、現状や取り組みについて紹介がありました。

富士フイルムホールディングス()における知的財産部門の位置づけについて紹介されるとともに、知的財産部門の活動として、知財戦略書を事業ごとに立案・展開していることが紹介されました。

富士フイルム知財情報リサーチ()については、ビジョンや組織について紹介され、事業としては、特許など調査分析、外国特許出願権利化、特許事務管理等であり、調査分析業務においては設立当初からIPランドスケープ(コンサルタント型調査)を行っていることが説明されました。併せて、知財分社企業として、他の外部会社やAIに代替されないよう課題発掘・解決力を備えた人材育成が課題と紹介されました。

 

パネル討論では、パネリストとして㈱イーパテント 野崎篤志氏 、アイ・ピー・ファイン㈱ 平尾啓氏。パナソニックソリューションテクノロジー㈱ 鈴木祟大氏、キヤノン技術情報サービス㈱池田雅之氏をお招きしました。

最初に、モデレータの(株)日本電気特許技術情報センター 横山貞彦氏からパネリストの紹介と討議テーマ企画の背景説明が行われ、各パネリストからの各社の考え方や取り組みの紹介に続き、「AI活用動向」、「AI活用目的」、「サーチャーの働き方」などをキーワードとして、AIツールの活用場面、AI技術の活用状況、AI検索の開発現状、AI活用でサーチャーの働き方について、ベンダーとユーザの視点か活発な討議が行われました。

AI活用動向については、AIツールの活用場面として特許調査の検索での活用が紹介され、最近では、電気業界の活用が目立ってきており、その背景として、AI自体の進歩が大きいことが挙げられていました。また、AIツールの不向き分野についても語られ、AI活用について多面的な意見が出されました。

また、AI活用目的については、AIツールを活用することで、調査業務の効率化(リソースの創出)、調査品質の向上(関連度の高い文献の抽出精度向上、抽出文献の増加)の重要性について議論されました。

最後に、サーチャーの働き方としては、AIツールの支援でサーチャーの調査スキルの高度化を図ることで、調査への貢献度を拡大することが大切であり、AIに対して過大な評価をせず、AIの限界を理解して上で道具として活用するが重要であるとの意見も出されました。

今回のパネル討論では、AIツールのベンダー、ユーザの視点から討論され、多くの会員企業にとって非常に参考となる内容が多く、有意義なものとなりました。