- 談話室
2018年度・技術貿易収支 - 前年度とほぼ同じレベル –
昨年末、総務省から「令和元年科学技術研究調査結果」が公表されました。科学技術研究全般の動向を調査したものです。その中に「国際技術交流(技術貿易)」という項目があります。本レポートでも毎年登場してきます。ライセンス料に相当し、知財人にとって重要な指標です。
新たに発表された2018年度の技術輸出額は、3兆8,711億円でした。前年度が3兆8,844億円でしたので、前年度とほぼ同じ水準になりました。下のグラフをみると、2015年度で伸びが止まり、その後は3兆8千億円代で一定値を示しているようです。
分野別にみても、前年度とほぼ同じです。自動車、医療、情報通信、電機とも前年度と同じような数字が並んでいます。
技術輸出に占める親子会社間の取引が74.3%となっていますので、海外子会社での生産量が、前年度と同じレベルだったと考えられます。
一方で、技術輸入額は5,910億円でした。前年度の6,298億円よりも少なくなっています。
その結果、2018年度の技術輸出額との差し引きは3兆2,801億円の黒字になりました。
2018年度の日本国の経常収支が18.5兆円の黒字でしたので、技術貿易の収支が、大きな割合を占めていることがわかります。
知財は、日本国の重要な収入源になっています。