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第430回ATIS例会報告

430回例会報告

1月20()、日鉄総研本社 国際ビルよりリモート会議にて、41社・90(リアル11名、リモート79)の出席により第430 ATIS例会を開催しました。当日行われた議事の中から、賛助会員である株式会社 ジー・サーチ様と一般財団法人 工業所有権協力センター様による新商品・特異商品、サービスの紹介、富士通株式会社スポーツビジネス統括部長の藤原英則様の講演に関してご紹介いたします。

 

株式会社 ジー・サーチ様より、お客様の迅速な意思決定を支援する、「JDreamⅢ」「JDream Expert Finder(研究パートナー検索サービス)」「JDream SR(医療等の特定重要文献の検索)」の提供により、グローバル情報の提供、オープンイノベーションの支援、特定業務のスクリーニング工数の削減に大きく貢献していることが紹介されました。

次に、一般財団法人 工業所有権協力センター様より、審査請求を厳選することで、審査官の業務負担軽減に貢献する「IPCC先行技術調査サービス」、商用DBで検索能力を競い、サーチャーの優れた検索能力を称える場としての「特許検索競技大会」の紹介がありました。

双方の発表とも、ATIS会員が激しい環境変化の中で知財の調査分析を行っていく上で、また専門性の高い人材を育成する観点から、非常に興味深いものでした。

 

講演会は、「テクノロジーでスポーツに革命を!~究極の動き・姿勢のデジタル化への挑戦~」という演題で、富士通株式会社スポーツビジネス統括部長の藤原英則様にお話をして頂きました。

体操競技の審判は、目視、記録、計算を約60秒間の短い時間で判定する必要がある。加えて、最近の体操器具の高度化による体操演技のレベルが高難度化しており、判定時にチェックすべき項目が益々増えたことで、審判員の負荷は非常に大きくなっているようです。これに対して、富士通様では3Dセンシング並びにAIを活用した「採点支援システム」を開発し、適切な採点運営の実現に貢献していることが紹介されました。

また、スポーツ競技のデジタル化を今後進めていくことにより、競技者に対し課題発見や能力向上につながる分析情報の提供ができ、また映像メディアは、「競技中の体の角度を表示」する等のセンシングデータを活用した通常では認識できない情報を視聴者に提供する、といった魅力的な観戦の演出が可能になるとのお話がありました。

2018年以降ゴールデンスポーツイヤーズといわれるスポーツイベントが集中する期間が続くこの時期に、体操という我が国にとって歴史的にも盛んな競技を通じて、ICTを活用したデジタル化により、利便性が高められ社会的価値が向上する事例の紹介があり、非常に興味深い内容でした。

また、体操競技の採点支援システムを構築する過程の中でプロジェクトメンバーの方々が大切してきたポイントとして、「素人の強みを生かす、固定観念にとらわれない」「遊び、無駄、非常識、柔軟性、冗長性、多様性、自律性」「みんなで困難を楽しむ、相手を否定しない、意見を積み上げる」等の紹介がありました。今回の講演を通じて、前例のない最先端技術の開発を担うには、柔軟な発想とチームワークが重要であることを改めて感じるができたと思います。

以 上