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第432回ATIS例会報告

432回例会報告

 317()、日鉄総研本社 国際ビルよりリモート会議にて、43社 82名(リアル12名、リモート70名)の出席により第432 ATIS例会を開催しました。当日行われた議事の中から、調査業務運営分科会からの活動報告、賛助会員である株式会社RWSグループ様と一般財団法人日本特許情報機構(Japio)様によるサービス、商品の紹介、特許庁 審査第二部 上席審査長/デザイン経営プロジェクトチーム長 今村 亘 様のご講演に関して紹介いたします。

調査業務運営分科会から、昨年10月に実施した特許庁との意見交換会の概要報告がありました。特許庁総務課より6名の方々にご参加いただき、特許情報普及活用施策についてのご講演後、意見交換を行いました。今後の特許情報プラットフォームの方向性、IPランドスケープ及びAIの活用動向、官民の住み分け、ATISからの各種改善要望等について実務的な議論がなされ、双方にとって大変有意義であったことから、今後も継続実施したいとのことでした。

賛助会員による新商品・特異商品の紹介として、まず株式会社 RWSグループ様より、グローバルな特許データベース「PatBase」について、豊富な収録文献、高度な検索機能、リーガルステイタス表示機能、及び多様なグラフ/チャートを駆使した各種分析機能(Analytics V3)の紹介がされました。次に、一般財団法人日本特許情報機構(Japio)様より、世界特許情報全文検索サービスJapio-GPG/FXについて、スクリーニングの効率化支援機能として、代表ファミリー文献表示、ファミリー除外、図面読解、MTダウンロード、また、スクリーニング後の海外特許文献精読のためのAI翻訳など、そのサービスの特徴及び昨年追加された新機能が紹介されました。

両社の発表とも、ATIS会員がワールドワイドに知財の調査分析を行っていく上で、非常に興味深いものでした。

講演会は、「特許行政の最近の動向」という演題でお話し頂きました。

最初に特許出願動向データのご説明がありました。世界的に特許出願は増加傾向の中、日本では電機分野の出願が減少傾向にあり、その影響を受け、出願全体が減少していること、各国がデザインに注力する中で意匠出願が横這いになっている等の懸念点が指摘されました。逆に商標出願は、商品・サービスの多様化、改正による制度の使いやすさにより、大きく伸びているとのことでした。

次いで大学・中小企業の支援、スタートアップ支援、スーパー早期審査、権利行使環境の整備、知財訴訟制度の見直し(査証、損害賠償)、標準必須特許のライセンス交渉に関する手引き公表、海外ユーザー向け情報発信、国際審査協力、第四次産業革命への対応、庁内のAI活用、デザイン経営による企業競争力強化など、特許庁における様々な取組みについてご紹介を頂きました。

最後に、ポストコロナにおけるこれからの産業財産権行政の在り方についてのご説明があり、リモート・非接触ニーズへの対応の徹底、ユーザーの負担軽減、権利の保護強化、強靱な権利の迅速な付与のための審査の改善、特許侵害訴訟等における妥当性の高い判決につながる制度の整備、特許特別会計の透明性の向上についてご紹介頂きました。