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第450回例会報告

2022年11月16日(水)、日鉄総研本社 国際ビルよりリモート会議にて、37社・99名(リアル15名、リモート84名)の出席により第450回 ATIS例会を開催しました。当日行われた議事の中から、賛助会員である日本パテントデータサービス株式会社様と株式会社発明通信社様によるサービスの紹介、日産自動車株式会社 知的財産部長の別宮 智徳様の講演について紹介いたします。

次に、株式会社発明通信社様より、Japio世界特許情報全文検索サービス「Japio-GPG/FX」について紹介いただきました。「Japio-GPG/FX」は、各国の特許を日本語で検索できることを特徴としています。高精度機械翻訳エンジンおよびAI翻訳を活用した正確かつ自然な日本語による精読のし易さが、お客様から高い評価を得ています。また、IPランドスケープ/知財経営に対して、技術保護以外の特許の使い方として、技術資産とSDGsの関連性を可視化する取り組みが紹介されました。MicrosoftのDeBERTaを用いて特許文献を読み込み、SDGsの目標に対する特許のスコアを見える化します。これを社会貢献アピールに活用することをご提案されています。

別宮様からは「クルマの電動化と知能化~日産自動車の技術開発と知的財産活動~」についてご講演いただきました。日産自動車㈱では、長期ビジョンとして「Nissan Ambition 2030」を掲げられ、電動化の推進、自由な移動を実現するモビリティの革新、モビリティとその先に向けたグローバルなエコシステムの構築に取り組まれています。そして、自動車を取り巻く課題から、ゼロ・エミッション、ゼロ・フェイタリティを、それぞれ電動化、知能化で実現するとご説明されました。

電動化の技術としてバッテリーEVとe-POWERを紹介されました。今後開発が進む全固体電池はいままでにないエネルギー密度であり、従来のリチウムイオン電池に比べるとコストも安く、EV普及のGameChangerとなります。e-POWERは、エンジンで発電し、100%モーターで駆動するスムーズさと力強さを特徴としています。素早く滑らかな加速、EV専用プラットフォームにより今までにない広さを実現できていることを、動画を通してご紹介いただきました。

また、ゼロ・フェイタリティを実現する知能化技術として、プロパイロット技術を保有しており、地図データと360度センシングを用いて、信頼できる走りと運転者の疲労低減を実現していることが紹介されました。

次に、日産自動車㈱の知的財産活動について、特に以下の事項を中心にご紹介いただきました。

  • 特許戦略として、件数と質、特許網、出願国についての考え方
  • 自動車業界でも通信技術の標準必須特許のライセンスが活発化している状況とそれに対する課題
  • 意匠商標戦略について、模倣品対策やネーミングポリシー

他にも多くの事例を交えながら講演いただき、ATIS会員にとって貴重な情報となりました。

以 上