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第457回例会報告

2023年621()AP新橋にて、43社・137名(リアル58名、リモート79名)の出席により臨時総会・第457ATIS例会を開催しました。まず、臨時総会において新任3名を含めた次年度幹事専任の議案と、分科会運営内規の改定が全会一致で承認されました。続いて、例会において代表幹事から、会員の入退会状況、例会活動状況等の報告が行われました。

引き続き、10の分科会による年間活動報告、および質疑応答が行われました。コロナ渦での活動は対面制限による消極化が心配されるところ、どの分科会もリモートとリアルを上手く活用し、外部交流も活発に行っていた様子で、大変有意義な活動報告となりました。以下に簡単に内容を紹介いたします(報告順)。

 

【① 調査業務運営分科会】

調査業務だけでなく、ニーズが高かった人材育成等についても討議を行い、特許庁様との意見交換会では3年ぶりに対面で開催でき、活発に意見交換や実務の要望を伝えられ大変有意義だったとのことでした。また、サーチャーの教育手段として「特許検索競技大会」の利用を検討し、大会概要や問題構成等について主催者(IPCC)にご講演いただいたとの報告がありました。

 

【② 調査技術分科会】

調査業務の課題に対するアイデアの共有や、「特許検索競技大会」の過去問演習等を通して調査スキルの向上を図ったとのことです。実務目線で意見交換を行える貴重な場であり、大変知的刺激を受けたとのことでした。また、特別回として特許庁様にご講演いただき、特許庁で使用するツール等の興味深い話を聞けた様子でした。

 

【③ 知財分社経営分科会】

知財子会社特有の経営課題等について、各社の情報を共有して討議を実施し、今後の知財子会社としての在り方や、人材確保やモチベーションの向上等について具体的に議論したとのことです。また、JPDS仲田社長の講演会では創業から現在までの会社経営の課題と対応についてご紹介いただき、意見交換では、自社の課題解決のヒントを得る有意義な機会になったとの報告がありました。

 

【④ コーポレートサポート分科会】

コーポレート部門の集まりとして、ジョブ型制度の導入やアフターコロナへの対応について、各社の悩みを共有し意見交換を実施したとのことです。障害者雇用やインボイス制度等の法改正についても情報交換を行い充実した活動となったようです。また、味の素㈱様の東海工場の見学会では、ほとんどの作業が自動化された先進的な光景に刺激を受けたとのことでした。

 

【⑤ 特許情報研究分科会】

特許検索DBについて、利用者側が発表した不満点に対して、提供側がその対応状況や課題を共有し議論を行ったとのことです。提供側はユーザーの声を直接聞くことができ、利用者側は疑問を解決でき、両者にとってメリットとなる活動となったようです。知財実務者とベンダーが互いの事情を把握でき、業務やサービスの機能改善、効率化の大きなヒントが得られたとの報告がありました。

 

分科会報告を頂いた皆様

 

【⑥ 新興国の知財調査分科会】

新興国(タイ等)のクリアランス調査に関して、特許検索DBの収録状況や調査手法についてワーキングを行い、調査マニュアルを作成したとのことです。8つの特許検索DBを比較する等、1社では難しい作業も分科会だからこそ取り組めたとのことでした。また、JETORO北京、香港と中国のクリアランス調査に関する情報交換やJETROバンコクとタイの知財法、データベースに関する情報交換を行う等、外部交流も活発に行ったと報告がありました。

 

【⑦ 若手による意見交換分科会】

異業種の若手が集まり、自社紹介や自身の業務の悩みや改善方法等について意見交換を行ったとのことです。当分科会では何か成果を求めることを目的としておらず、若手が異業種の理解を深めたり、社会人として成長したりする場として活動しており、キヤノン㈱様のギャラリー見学会では機器技術を見学し貴重な経験になったとの報告がありました。

 

【⑧ IPランドスケープ研究分科会】

どのようなデータや手法を用いれば未来の技術動向を読めるのか、各社の発表や外部との意見交換を通じて知見を広げる活動をしたとのことです。JETRO中国との意見交換では、出願動向や専利ナビゲーション等、最新の知財動向を得ることできたそうです。講演会では分析の事例等を紹介いただき、非常に有益だったとのことでした。

 

【⑨ 特許翻訳分科会】

各社の機械翻訳の導入状況や課題について情報を共有し、複数の翻訳エンジンの比較評価や、翻訳会社側と利用者側による討議を行い、両者で異なるポストエディットに対する認識が明らかとなり参考になったとのことでした。講演会ではタシケント工科大学副学長の西山聖久様にAI自動翻訳ツールの活用についてご紹介いただいたと報告がありました。

 

【⑩ AI調査分科会】

先進ITツールを使用している分科会メンバー同士による事例紹介や討議を通じて、情報交換を行ったとのことです。また、VALUENEXCEOの中村達夫様よりデータに基づく客観的・俯瞰的戦略思考についてご講演いただく等、外部交流によって理解を深めたとの報告がありました。

 分科会の年間活動報告については以上となります。

 

例会後には、同ビル内にて立食パーティー形式による懇親会も開催されました。54名と多くの会員が参加し盛大に盛り上がり、対面によるコミュニケーションの素晴らしさを改めて感じました。