トピックス

  • 活動紹介

第459回例会報告

2023年9月20日に富士通ユニオンビル セミナールームB+C(武蔵小杉)をリアル会場とし、リモート接続を併用する形で、通常総会および第459回例会を実施しました。

例会参加者は42会員・130名(リアル41名、リモート89名)でした。

 

先ず初めに幹事会報告として、913()15()に開催の2023特許・情報フェアにATISの活動紹介のため 展示を行った旨の報告がありました。

フェア当日は、パネルを1枚展示し、持帰りのためのパンフレットを配布しました。

 

当日行われた議事の中から、賛助会員である知財コーポレーション 後藤 新一様と中央光学出版株式会社 浜村 敏一様、堀越 節子様によるプレゼンテーション、日本電信電話株式会社 コミュニケーション科学基礎研究所 上席特別研究員 永田 昌明様による講演についてご紹介いたします。

【賛助会員プレゼンテーション】

  • 株式会社 知財コーポレーション(リモートでご説明)

 後藤 新一 様

株式会社 知財コーポレーションは、知財明細書の翻訳と知的財産関連業務を専門に行う企業で、MT(機械翻訳)の活用に関する取り組みを紹介いただきました。

近年、MTの性能向上が顕著ですが、より良いMT出力を得るために一番手軽に取り組みやすく効果的な方法として「短文化」をテーマとして挙げていただきました。

具体例として、①一文が長くても問題のないケース、②一文が長くても分割できないケース、③長い一文を分割した方がいいケース、の3つのケースをご紹介いただき、「短文化」の効果についてご紹介頂きました。

 

  • 中央光学出版株式会社

中央光学出版株式会社は、知的財産情報提供、特許データ販売、翻訳、特許調査、ソフトウェア販売など幅の広いサービスを提供する企業です。

今回は、PatSnap社のAnalyticsをご紹介いただきました。

本製品は、特許、意匠、訴訟などの検索と、統計分析を行うことができるツールで、公報、リーガルステータス等の情報を3種類のファミリーの括り方で表示することができます。

外国特許の日本語訳検索も可能で、特に日本語機械翻訳も併せて検索することが出来るのが特徴的です。また、強力なフィルター機能による絞り込み機能、マルチウインドウ表示によって関連する複数画面を連動して表示する機能を有しており、更には特許価値の表示や、法的情報で審査文書を確認、カスタム分析によるチャート出力することが出来るなど様々な機能を有していることをご紹介いただきました。

 

【講演】

  • 「生成AIと機械翻訳」

日本電信電話株式会社 コミュニケーション科学基礎研究所 上席特別研究員 永田昌明様より、GPT-3/ChatGPTなど大規模言語モデル(Large Language Model, LLM)を用いた翻訳と従来 のニューラル機械翻訳の技術的な違い、および、そこから生じる使用感の違いについて講演いただきました。

ルールベース翻訳から統計的機械翻訳、そしてニューラル機械翻訳へ移行していき現在の大規模言語モデルへ移っていく機械翻訳の歴史と共に、それぞれの特徴、翻訳のロジックについて詳細にご説明いただきました。機械翻訳においては、自然言語による指示とその応答の対で言語モデルをファインチューニングする「指示チューニング」が、より好ましい結果を出力するために重要な役割を果たしていることや、ニューラル翻訳と大規模言語モデルを比較すると、大規模言語モデルにもデメリットがあるため、引き続きニューラル翻訳との併存は続くであろうとのこと、更にはこれらを踏まえて機械翻訳の今後についてもお話しを頂きました。

その後の質疑応答では、大規模言語モデル(Large Language Model, LLM)を用いた翻訳と従来のニューラル機械翻訳とをハイブリッドで活用することによるメリットなどがあるのかなどの質問もあり、参加者にとって大変興味深いお話しを伺うことができました。

 

以 上