トピックス

  • 活動紹介

第460回例会報告

2023年1018()、三菱ケミカル()ScienceInnovation Center(以下「SIC」という)

よりリアル会議にて、24団体 44名の出席により第460 ATIS例会を開催しました。当日行われた議事の中から、

(1) 三菱ケミカル()施設見学

(2) シンポジウム講演

JFEテクノリサーチ()

について紹介します。

 

  • 施設見学

(株)三菱ケミカルリサーチの華房様から、三菱ケミカル()R&D戦略と体制、事業所(SIC)概要、見学施設に関する説明があり、その後新研究棟のリアル見学を行いました。

 

1976年に、当時の三菱化成工業()(現:三菱ケミカル())の研究所が、本エリアに開設されました。開設当時から自然環境の保全、排水・排気等の厳しい環境保全を継続し、地域との共生に十分に配慮した上で研究活動を行ってきております。

ロケーションとしても様々な大学、研究機関等も近隣にあるため、共同研究等の連携もしやすい環境にあります。

三菱ケミカル()ではR&D戦略・知財戦略・事業戦略を「三位一体」で運営し、R&Dと知財を経営戦略と整合させることで、事業化のスピードアップを図っています。各事業所に事業開発のための研究所が存在しておりますが、見学先であるSICはコーポレートR&D機能を担っており、基盤技術の強化、注力分野のコアプロジェクト、新規事業の発掘・開拓を推進しています。

SICは、テクノロジープラットフォーム(機能設計、計算科学、分析物性、有機、無機、バイオ、プロセス)を軸とした組織体制をとっており、デジタル化、実験自動化も推進しています。また、地域に根ざした青葉台リビングラボ活動にも取り組んでいます。

今回見学した新研究開発棟は、202210月にオープンしました。見学の中心となる“KAITEKI PALETTEは、双方向コミュニケーションを通して、新たな技術を創出するためのきっかけづくりの場として、幅広い技術力を象徴するエントランス、ビジョンを来場者と共有するシアター、思わず手に取りたくなる体験性をテーマとした技術展示、これから育てていくピックアップ展示、多目的な使い方を想定したスタジオで構成されています。“KAITEKI PALETTEと併せて分析ラボ、カフェライブラリ等も見学しました。

施設見学を通じて、参加した会員メンバーは、三菱ケミカルの研究開発活動について身をもって体感することができました。ATIS例会でのリアル見学は2019年依頼で約4年ぶりの実施だったこともあり、非常に有意義なイベントとなりました。

 

(2)シンポジウム

JEFテクノリサーチ㈱の林様からシンポジウム講演がありました。

JFEテクノリサーチ㈱は、2004年に川鉄テクノリサーチ、鋼管計測、日本鋼管テクノサービスの3社が合併して発足した会社であり、来年度で20周年を迎えます。経営理念として「ものづくりのベストパートナー」を掲げ、お客様の開発業務を支え、事業拡大に貢献していく企業スタンスについて説明がありました。

主な事業としては、「グループ外企業向けのソリューションビジネス」と「技術調査・知的財産サービス」の2つがあります。「ソリューションビジネス」に関しては、機械試験、材料評価、分析試験等の展開がなされており、多種多様な評価分析、「研究開発前技術調査から量産段階」までの様々なシーンでの技術サービスに取り組んでいます。車載EV等の電池分野やモータ及び磁性材料評価などの自動車分野、計測機器販売ソリューション、脱炭素に向けたカーボンニュートラル分野、プロセス試験・試験装置の製作などビジネス概要についてご紹介がありました。

次に「技術調査・知的財産サービス」においては、機能分担会社として、JEFスチールグループにおける特許事務所機能(明細書作成、出願、権利化、権利維持管理)、特許調査・解析、知的財産教育・研修機能を有しており、グループ内で同機能がない会社も含めた対応に従事するとともに、自社特許の出願も行っているとのお話がありました。

また、この「技術調査・知的財産サービス」の分野でも外販を進めており、公募案件としての国家プロジェクトにも参画し、技術調査・特許調査を行っているとのことで、前述のソリューションビジネスを受託しているお客様から、特許調査の受託を依頼されることもあり、今後は相乗効果も期待できるとのことでした。

トピックスとして、同社での「AI活用」と「RPA活用」の説明がありました。「AI活用」に関しましては、業務効率化の観点というよりも、キャリアが異なるサーチャーはどうしてもアウトプットに差異が発生してしまうので、検索精度の向上や業務品質の均一化によりバラツキを抑えていくことを狙いとして導入しており、現段階ではツールの評価検討段階とのことでした。

また、「RPA活用」に関しては、知財管理システムへの重複した手入力作業にサーチャーが多くの時間をとられているので、RPAによる自動化を進めており、現段階で約10%程度の効率化がなされているとのことでした。

最後の質疑応答の時間では、同社の特色である外販ビジネスや、トピックスとしてのAIRPAに関して数多くの質問が寄せられ、これらの点に関して参加各社にとって、非常に関心が高いということがわかりました。

 

例会終了後、リアル懇親会が開催されました。

懇親会においては、アフターコロナの中で38名の出席があり、会員同士の活発な情報交換・懇親が図られ、盛会のうちお開きとなりました。

以 上