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第490回例会報告(2026年6月10日開催)

490回例会報告

 

2026年610日(水)、キヤノン株式会社下丸子本社にて、42会員・110名(リアル参加46名、リモート参加64名)の出席のもと、ATIS臨時総会および第490回例会を開催しました。

まず臨時総会では、新任3名を含む次年度幹事の選任に関する議案が、全会一致で承認されました。続いて例会では、代表幹事より会員の入退会状況や例会活動の報告が行われました。その後、9つの分科会による年間活動報告および質疑応答が行われました。

今年度は、9つの分科会すべてがリアル会場での報告となりました。各分科会では活発な討議・意見交換が成されており、さらには外部との交流も活発で、有意義な活動が行われていることが伺えました。

以下に各分科会の発表内容を簡単に紹介いたします(報告順)。

 1.【調査業務運営分科会】

本分科会は、各社の調査事業や業務課題に関して意見交換・情報交換を行うことにより、解決策を見出すことを目的としています。本年度は、全10回の会合を開催し、その中でメンバーによる集中討議(5回)、特許庁との意見交換会(2)、外部有識者による「生成AI×特許調査・解析・IPランドスケープ業務」に関する講演会(5)等の活動を行いました。

5回の集中討議では、「AIツールの活用状況・AI時代の調査のあり方」「業務ニーズ・提供サービス変化」「人材戦略・育成・マネジメント」をテーマに取上げ、生成AIによる業務変化、IPL等解析・提案系のニーズシフトについても議論が交わされました。また、意見交換会、講演会においても、活発な議論が行われ、有意義な機会となりました。

 

2.【調査技術分科会】

本分科会は、共通の課題演習や、特許調査手法についての情報交換、ノウハウの共有、議論を行うことにより、各自各社の調査技術の向上を図ることを目的としています。本年度は、通常回計9回に加え、特許検索競技大会スキルアップセミナーや特許庁との意見交換会など、追加の取組みも行われました。

通常回では、各自各社の特許調査への生成AI活用状況を報告し、3グループに分かれて、グループワークを実施しました。また、『AI時代の特許調査「何を入力するか/しないか」が出力を決める』と題して外部有識者による講演会を開催しましたが、必要な情報の取捨選択の重要性を体験し、また、業務における問題点を指摘頂く等、有意義な場となりました。会社や経験年数にかかわらず、闊達な意見交換を行うことができ、また、情報の共有により、各自の課題改善と調査の質向上に役立てることができました。

 

3.【知財分社経営分科会】

本分科会は、知財系子会社に特有の経営課題に対する解決策やヒントを得ることを目的とし、参加者同士が本音で意見を交わす場として運営されました。

参加者は、「生成AIによる業務の高度化」「生成AI時代における知財系子会社の危機感と今後の方向性」「人材の獲得・育成・モチベーション」「外部資源の活用と業務の多様化」「親会社との関係性」等のテーマについて、小グループで意見交換、討議を行い、実務に即した解決策やヒント持ち帰ることができました。

5月には、外部有識者を招き、AI時代だからこそ対人マネジメントの基礎であるコミュニケーション力が必要との観点から、ビジネスの現場における「対話」をテーマとした講演会とワークショップが開催され、「対話」において重要な点は何かを体験・体感することができました。

 

4.【コーポレートサポート分科会】

本分科会は、知財関係会社のコーポレート部門で、総務・人事・知財など多様なバックグランドを持つメンバーが参加し、人事処遇制度・人材育成・情報インフラ等の共通課題に対して、各社の対応状況や関係分野の状況を共有・意見交換することで、各社の施策立案の一助となることを目的としています。テーマ討議では、「業務効率化のためのDX化」「人的資本経営の観点からみたリスクマネジメント」「関連法令の改正対応」等について、活発な討議や意見交換が行われました。

また、職場環境の改善、在宅時代における働き方、オフィスのあり方等の参考にするために、先進オフィスの見学や展示会へ参加し、最新のオフィス動向やDXツールの活用状況の把握等を行いました。併せて、外部有識者による講演会も開催し、組織における人材育成、生成AIの活用状況等のお話をうかがい、有意義な機会となりました。

 

5.【特許情報研究分科会】

本分科会は、特許情報の最新情報を収集し、分析、活用、研究を通して各自の知識向上を図り、業務改善に寄与することを目的としています。サービス提供会社と調査会社からなるメンバー構成で、「オープンな姿勢」を大事にして、立場を超えた活発な情報・意見交換が行われました。

会合では、外部有識者による講演会を実施(4回)し、AI時代のブランド保護、生成AI活用、海外の特許状況、特許分類の基礎・応用等の最新情報をうかがい、講師との意見交換会も行って、有益な知見を得ることができました。また、各社から生成AIのサービス利用や社内利用についての現状を発表し、活発な質疑応答を行いました。各社の取組み状況を理解するとともに、課題や活用点を共有でき、非常に有益な機会となりました。

 

6.【新興国の知財調査分科会】

本分科会は「新興国知財情報のエキスパートをめざす」をミッションとし、新興国の知財制度や最新事情をしっかり押さえ、効率的に特許リスクを見極める力を身につけることを目指して活動を行いました。本年度は、今まで取り組まなかったテーマ、具体的には、新興国での模倣品対策とインドの特許データの探求に取り組みました。

模倣品対策につきましては、中国およびタイに駐在されている有識者の方々にWebで参加頂き、アセアン諸国の模倣品についての講演会/勉強会を開催し、現地ならではの興味深い話を聞くことができました。また、その後、アセアン諸国の特許訴訟について、メンバー自身で事例やその件数の調査を行い、知見を深めました。

インドの特許データの探求につきましては、利用可能なデータベースを利用して、過去出願分の公開データについて、データ収録率を調査し、その実態を確認しました。

 

7.【IPランドスケープ研究分科会】

本分科会は、「経営・事業情報に知財情報を組み込んだ分析手法」について情報・意見交換を行い、参加メンバー会員におけるIPランドスケープの取り組みに貢献することを目的としており、各社持ち回りでの発表や外部有識者による講演会開催の活動を行いました。

各社持ち回りでの発表会では、各社のIPランドスケープの活動内容について発表し、各社の事業力強化に資するための取り組みについて、理解を深めることが出来ました。また、「IPランドスケープに向けたツール紹介と活用事例」、「知財を事業創出エンジンへ-AI時代のIPランドスケープと既存特許の再解釈―」をテーマにそれぞれ外部講師による講演会を実施しました。生成AI導入がIPランドスケープに与える影響、IPランドスケープの活用方法等について更に理解を深めることができました。

 

8.【特許翻訳分科会】

本分科会は、参加企業の個別課題、特に、機械翻訳と生成AIへの期待について率直に情報・意見交換を行うことを目的として活動しています。活動にあたっては、参加企業の現状認識、課題等を共有することを目的としてアンケートを実施し、それをベースに「生成AI下における自分たちの存在意義」について討議を行い、「存在意義の再定義」を行いました。また、外部有識者による「AI時代の特許翻訳」をテーマにした講演会を開催しました。「専門性の高さと根拠を示すことの大切さ」、「人の判断の重要性」等印象深い話をうかがうことができました。併せて、生成AIを利用したチェック業務について、翻訳工程の流れの中で、どこに取り込むのが最も有効なのかについて検証を行いました。自社で使えないモデルの検証もできる等、貴重な機会となりました。

 

9.【Z・ミレニアル世代の若手意見交換分科会】

本分科会は、担当業務の経験の浅い(若手)メンバーが日々の業務における悩みを共有し、個人思考の整理を行い、集団でディスカッションすることで、集団思考を高めることを目的としています。昨年度は、ATIS内規に定める参加者数を満たさず、休会しましたが、本年度は、活動を再開しました。

討議においては、各自から自分の会社、組織、自分の業務、業務の中で困っていること・悩んでいること等を紹介し、各自から出された課題等について、意見交換を行いました。メンバーからは、「自社の課題を客観的に捉え直す良い機会を得られた」、「他社の取組みを知る良い機会となった」、「自身の業務への刺激とモチベーションの向上につながった」、「深堀りしてディスカッションを重ねることで、思考が整理された」、「非常に有意義なネットワークが作れた」等の感想がありました。

 

例会終了後には、キヤノン本社B棟 レセプションルームにて立食パーティー形式による懇親会が開催されました。38名と多くの会員が参加し、おいしい食事に舌鼓を打ちつつ、会員、分科会の垣根を越えて交流を深めることができました。